9/14 『やんてらの企画’16 聴こえるスペースvol.7』穂高亜希子/大友良英@渋谷公園通りクラシックス

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2016/9/14『やんてらの企画’16 聴こえるスペースvol.7』穂高亜希子大友良英@渋谷公園通りクラシックス、ご来場もろもろありがとうございました。

穂高さんと大友さんは、大友さんのラジオに穂高さんがゲスト出演したり、ライブに飛び入りしたりなど、以前から何度か交流があって、もう何年も2人からいつか一緒に出来たらいいよねと聞いていたので、いつかとか言ってたらもう初老だよ!という思いもあって、今回企画するに至りました。もちろん、穂高亜希子さんは、今までアコーディオン奏者の熊坂るつこさんとの共演、sakanaとの対バン、「みずいろ」レコ発ライヴ、熊坂るつこさんとのツアー、そこでの頭士奈生樹さんや半野田拓さんの共演も含めて、様々に企画してきて、あとは何が出来るだろうかと考えたところ、大友さんとの共演しかないという思いもありました。

構成は、まずは大友さんのソロ、穂高さんのソロ、そして大友さんと穂高さんの共演。

大友さんはエレキ2本アコギ1本持参でしたが、まずはアコースティックギターでの演奏。聞こえてきたのは「見上げてごらん夜の星を」のメロディー。とても優しい音色で響いてきました。徐々に熱量が帯びて来るところもあったけど、終始音色の美しさが際立っておりました。もう2曲、リリカルなメロディーを奏でていて、何とも染みます。さてここ公園通りクラシックスは、その昔ジャンジャンというライヴスペースというか前衛小劇場というか、そんな場所だったところ。そこに出演されていた永六輔さんとの話や高柳昌行さんとの話など聞かせてくれました。そして「blue」、「街の灯」、穏やかな旋律から、後半は轟音を重ねつつ、そんな中でのアコギの音色がまたたまらなかった。大友さんのここまでのアコースティックギターでのソロ演奏はとても久し振りだったんじゃないかな。思いがけず、素晴らしかった。

ちなみにだいたい持ち時間45分とお伝えしたところ、なんとぴったし!さすが!

休憩を挟んで、穂高さんのソロ。まずはアコギでの弾き語り。歌いだしがあまり声が出し切れてないかなと不安にもなりましたが、2曲目での「緑」から声がしっかり出て来て、意志がはっきりと伝わってくる演奏だったんじゃないかな。途中から、ピアノの弾き語りに。グランドピアノでの演奏も久し振りかな。「静かな空」、穂高さんのピアノソロは、正直無茶苦茶なところもあるし感情の垂れ流しと言えばそう言ってしまうところだけど、とても迫りくるものがある。続いての、熊坂るつこの「悲しみ」、事の経緯を踏まえれば、ここで聴けたのはとても嬉しかった。穂高さんの選曲は実はアルバムには未収録の新曲が殆どで、ここでの新曲は穂高さんの最も歌い込められる曲なのかな、ここでのピアノソロも引き込まれるものがあった。そして、なんと穂高さんのソロの締めも「blue」。ミスも多かったけど、伝わるものはあったね。

そのまま、穂高さんと大友さんの共演へ。穂高さんはここでエレキベースに持ち替えて、大友さんがエレキに持ち替えて、そして大友さんが歌う加川良さんの「教訓Ⅰ」。大友さんがこの曲を歌うのは何度も見たことがあって、そういえば穂高さんと石橋英子さんのライヴを見終わった後に、なんか阿佐ヶ谷のrojiで大友さんとU-zhaanが演奏をするという情報を掴んで終電を蹴って見に行った時も歌っていたなぁと思い出してました。それにしても大友さんの歌いっぷり、とても味があってよかったなぁ。そこに穂高さんのエレベと大友さん自身のエレキが轟音を響かせ、素晴らしかった。続いて、大友さんの「カナリア」、穂高さんが歌い、これがとても絶妙で、確かに穂高さんのうたになっていた。後半の大友さんの高らかに音を奏でていたギターソロ、これまたたまらなかった。ここで再び永六輔さん絡みで「上を向いて歩こう」、交互のヴォーカルをとって、2人でうたっていて、とても微笑ましい雰囲気。穂高さんはアコギの持ち替え、「恋をした男の子」「夢のように」、大友さんの空間を彩る音色で、穂高さんの歌がより活きていたな。締めは「いつか」、終盤は音に満ち溢れていきました。もう圧巻だった。少し間を置いて、アンコール。なんとここで3度目の「blue」。大友さんはエレキで、穂高さんはエレベ。それぞれの「blue」を経て、さらに飛び越えた感じで、何だか感極まる感じがありました。この流れはとてもよかったんじゃないかな。

終わってみれば、23時近く。2人の音を十二分に感じられるライヴで、特に、大友さんと穂高さんの2人の共演の相性は抜群で、もちろん大友さんが穂高さんに合わせたところはあるだろうけど、激しさだったり無骨さだったり、そんな滲み出てしまうところがとても合っていた。次はいつになるか分からないのだけど、また2人の共演はあると確信出来るほどの素晴らしさだった。